脊椎・脊髄病センター

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2017年9月13日 更新

脊椎・脊髄病センターの紹介

 当院は脊椎脊髄疾患において、山口県内で最も多くの手術症例数を誇ります。
 低侵襲脊椎手術では、内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術や腰椎変性疾患(腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症)に対する経皮的手術や最小侵襲手術(経皮的椎弓根スクリューによる脊椎固定術、側方進入前方固定術)、成人脊柱変形いわゆる腰曲がりに対する脊柱再建手術(側方アプローチによる前方固定術と仙腸骨SAIスクリューも使用した脊柱変形の矯正固定手術)、思春期特発性脊柱側弯症に対する側弯矯正手術、骨粗鬆性脊椎椎体(圧迫)骨折に対する椎体形成術やBKP(バルーンカイフォプラスティー)、前側方アプローチによる椎体置換術、頚椎変性疾患(頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア)に対する椎弓形成術、透析やリウマチに伴う頚椎病変(環軸椎脱臼、軸椎下亜脱臼)の手術、脳性麻痺に伴う頚髄症手術、脊髄腫瘍や転移性脊椎腫瘍の手術等多岐にわたる実績を持っています。
 

スタッフ紹介

白澤 建蔵

白澤 建藏

副院長
脊椎・脊髄病センター長
リウマチ・関節センター長
 

脊椎内視鏡下手術技術認定医
【所属学会等】
日本脊椎脊髄病学会(脊椎脊髄外科指導医)
日本整形外科学会(整形外科専門医、脊椎脊髄病医、スポーツ医、リウマチ医、リウマチ登録医)
日本側弯症学会、日本脊椎インストゥルメンテーション学会
日本脊椎・脊髄神経手術手技学会、日本内視鏡低侵襲脊椎外科学会

山下 彰久

山下 彰久

部長

【所属学会等】
日本脊椎脊髄病学会(脊椎脊髄外科指導医)
日本整形外科学会(整形外科専門医、脊椎脊髄病医)
日本MISt研究会(九州世話人)、日本低侵襲脊椎外科学会
日本脊椎・脊髄神経手術手技学会、日本骨折治療学会、日本外科感染症学会

野村 裕

野村 裕

医長

【所属学会等】
日本脊椎脊髄病学会(脊椎脊髄外科指導医)
日本整形外科学会(整形外科専門医、脊椎脊髄病認定医)
医学博士

渡邊 哲也

渡邊 哲也

医長

【所属学会等】
日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会
西日本整形災害外科学会、西日本脊椎研究会

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腰痛に対する最新の治療法

腰痛の薬物治療

 腰痛を起こす疾患は多岐にわたり、若い人では腰椎椎間板ヘルニアが多く、高齢者では腰部脊柱管狭窄症が最も多くなっています。慢性の腰痛に対して、これまでは消炎鎮痛剤の投薬、トリガーポイント注射、温熱療法などが行われてきましたが、最近では消炎鎮痛剤の投与頻度は減り、これに変わってオピオイド系の薬の投与が保険で適応となりました。さらに、様々な新薬が開発されています。このオピオイド系の薬(トラマドール、ブプレノルフィンの1週間持続貼付剤、デュロキセチンなど)は、麻薬と同じような作用で効果を示しますが、麻薬と違って厳しい管理は必要でなく長期投与が可能です。また、長期に服用しても安全で副作用も少なく安心して使用できます。人によっては便秘が起こりますが、緩下剤投与でコントロールが可能です。更に、今後とも様々な疼痛治療薬が開発されており、先々市販される予定のものも多くあります。
 

腰痛の手術治療

 現在、様々な脊椎の手術をなるべく小さな侵襲で行う取り組みがなされています。小侵襲でするということはキズが小さく術後の疼痛が少ない、出血量を少なくできる、術後の回復が早く早期に退院や社会復帰ができるということです。また、小侵襲であれば、免疫力や抵抗力が落ちにくいため、術後の感染や全身の合併症も少なくすることができます。
 現在、当院で行っている脊椎の小侵襲手術としては腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下摘出手術(MED)が挙げられます。10年前から開始しており、すでに500例以上の実績があります。皮切は1.5cmと小さく、手術侵襲も小さいため術後1週間以内に退院可能です。
 腰部脊柱管狭窄症に対しては、神経の圧迫を取り除く除圧術に内視鏡下手術や顕微鏡手術といった方法で侵襲を少なくする方法があります。また、病気の種類によっては脊椎を固定する必要があり、小さな皮切で筋肉や脊椎骨を術野に展開しない経皮的椎弓根スクリュー法(PPS)による脊椎固定術を行っています。この方法では従来法と比べて出血量を押さえ、手術による身体への負担(小侵襲)を少なくするのが目的です。
 このPPS法に加えて、最近では小侵襲腰椎側方椎体固定(XLIF)という最新の方法を平成27年3月より行ってきました。平成29年6月現在、すでに70例以上の実績があります。XLIFとは、側腹部(腸骨と肋骨の間)に約3cmの皮膚切開を入れ、筋肉を切離、切除せずに椎体の側方から腹膜外アプローチで椎間板を取り除き、ケージといった特殊な挿入物で固定して、脊椎の安定性を高める手術方法です。これまでの手術ではお腹に20cm程度の大きなキズで腹部の筋肉を切離しながら腹膜に到達する必要があったため、術後の疼痛が強く、整形外科の中では大手術の部類に入っていました。ここは内視鏡では出来ませんが、特殊な開創器や手術器械を使うことでこれを小皮切で行うことができるようになり、術翌日から歩行が可能となりました。
 このXLIFとPPSを組み合わせて行うことで、腰椎の強固な固定と間接除圧を小さな侵襲で行うことが出来ます。PPSのため背部に2箇所の小切開とXLIF用に側腹部に約3cmの皮膚切開(皮切)で手術を実施できます。この手技の最大の利点は、間接除圧と言って脊髄の神経を直接触らないで神経を圧迫から解除する事にあります。神経に直接触らないので脊柱管内の神経に対し安全性が高く、従来の術式で起こっていた術後神経合併症(下肢の運動麻痺など)の危険性が殆どありません。また、出血が従来に比べ非常に少ないなど、体への負担が少ない手術方法です。
 対象となる疾患は、腰部脊柱管狭窄症のなかでも腰椎変性すべり症、腰椎変性側弯症、腰椎後弯症、腰椎分離(すべり)症の一部などです。手術の成績は極めて良好で、術前の腰痛や下肢のしびれはほとんど軽快します。また、出血量が少なく、皮膚の切開も小さいため、術直後の傷の痛みも非常に軽くリハビリも順調に進んでいきます。そのため、これまでの脊椎の固定術が3週間~4週間程度の入院期間であったのが、半分の10日~14日程度に短縮されました。
 XLIFは全国でも限られた医師と医療機関でのみ実施されており、米国でXLIF専用の手術研修を受けて認定医となる必要があります。また手術には安全性確保のため、XLIF専用の脊髄神経機能のモニタリング装置が必要です。当院では指導医資格を3名が保有し、XLIFを日本導入早期から開始しており手術の安全性向上のため様々な取り組みも行っています。脊柱菅狭窄症以外にもこのXLIFを成人脊柱変形(いわゆる腰曲がりや側弯症)や2回目以降の多数回手術症例に応用しています。従来方法と比して明らかに小さな侵襲で患者さんの身体への負担も少なく手術成績も良好です。
 

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