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呼吸器腫瘍センター

診療科・部門
2024年4月24日 更新

呼吸器腫瘍センターの紹介

 近年、悪性腫瘍に対する治療法の進歩は著しく、それに伴い治療法や適応も変化しております。
 がんの治療は、主に手術治療、抗がん剤治療、放射線治療を基本に行いますが、病状によってはこれらの治療法を組み合わせて治療を行うことができます。
 このような治療を集学的治療といいますが、集学的治療を行うことで治療効果を上げることが期待できます。そのため、当院では2013(平成25)年5月に胸部腫瘍性疾患(がん)を総合的に診療する目的に呼吸器腫瘍センターを開設しました。

 呼吸器腫瘍センターでは、原発性肺がん、悪性胸膜中皮腫、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍などを中心に診療しています。
 診療の基本はあくまでも患者さまの利益が第一であります。治療説明と同意を徹底し、根治性を損なうことなくQOL(生活の質)にも配慮し、合併症の少ない治療を目指しています。
 特に肺がん治療に関しては向上を目指して、必要であれば他の病院、研究施設と協力して治療を行うこともあります。また、臨床研究や基礎研究も行ってその研究結果の発表も行っております。

スタッフ紹介

  • 写真:井上 政昭

井上 政昭
呼吸器外科部長、呼吸器腫瘍センター長

医学博士
【資格等】
日本外科学会 外科専門医・指導医
日本胸部外科学会 呼吸器外科専門医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

呼吸器外科_名部医師

水内 寛
呼吸器外科医長

医学博士
【資格等】
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
日本外科学会 外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

呼吸器外科_上田医師

名部 裕介
呼吸器外科医長

【資格等】
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
日本外科学会 外科専門医

本多 陽平
呼吸器外科医長

医学博士
【資格等】
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
日本外科学会 外科専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

外来診療表

呼吸器腫瘍センタ-

曜日
担当者 井上 水内(午前) 井上
本多(午前)
名部

診療対象疾患

  1. 肺腫瘍 (原発性肺がん、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍 など)
  2. 縦隔腫瘍 (胸腺腫、胸腺がん、奇形腫、悪性リンパ腫 など)
  3. 悪性胸膜中皮腫

原発性肺がん手術症例数

2017 2018 2019 2020 2021 2022
手術症例数 42 56 65 56 38 48

  • 原発性肺がん手術症例数
  • 原発性肺がん手術術式

診療内容

肺腫瘍(主に原発性肺がん)

 日本における肺がんはがん死亡原因の第1位であり、私たちにとって重大な疾患のひとつです。
 肺がんとは気管、気管支、肺胞の細胞の異常により発生する腫瘍のことです。肺がんは組織型により腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんに大きく分類されます。
 治療法は主に
  • 手術治療
  • 抗がん剤治療(点滴治療、内服治療)
  • 放射線治療

があります。これらの治療は、診療ガイドラインに沿って肺がんの組織型、病期(病気の進行度)から標準的治療法を基本として、患者さまの身体状態や希望などを総合的に判断し決定します。

検査

  • 肺がん診断:胸部CT(コンピュータ断層撮影)、内視鏡検査(気管支鏡)、血液検査(腫瘍マーカー測定)など
    *侵襲的検査としてCTガイド下肺生検、胸腔鏡下肺生検などを行うこともあります。
  • 転移の診断:頭部MRI(核磁気共鳴画像)またはCT、骨シンチ、腹部CT、PET(陽電子放射断層撮影)-CTなど
  • 耐術能検査:呼吸機能検査(肺活量測定、肺シンチなど)、心機能検査(循環器内科にて)など

基本的治療方針

 手術治療の対象となる肺がんは、基本的には術前検査でI期、II期、IIIA期と診断された非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)の患者さまです。
 IIIB期IV期の患者さまに対しては、手術治療以外の治療(化学療法、放射線療法)が行われますが、病状によっては手術治療が行われることもあります。術後の病理診断でIB期より進行している患者さまに対しては、補助化学療法(手術治療後の抗がん剤治療)を行うことを勧めています。ただし、放射線治療が有効と診断された場合は放射線治療を行います。
 肺がんの病態は個人差があります。そのため、上記に示したように治療方針が容易に決定できない場合があります。このような病態の患者さまは、毎週院内で開催される呼吸器カンファレンスにて肺がんに携わる医師(外科、内科、放射線科)がそれぞれの立場で意見を交換し、患者さまにとって最良の治療方針を決定いたします。
 手術方法では、積極的に胸腔鏡手術を導入し、根治性を損なわない範囲内でQOL(術後疼痛の緩和、呼吸機能の維持など)や、創の美容にも配慮し、小さな傷で手術を行っています。

★胸腔鏡手術★
 当院の肺がん手術は、基本的に内視鏡(胸腔鏡)を使用しています。
 胸腔鏡を使用した手術の利点は、美容的に傷が小さいだけでなく術後の疼痛が少なく、入院期間を短くすることができます。当院では3~5cmの傷が1箇所と1.5~2cmの傷が2箇所の合計3箇所の傷で手術を行っています。
 ここで大切なことは、肺がんは悪性の病気であるため傷を小さくすることで根治性を損なわないことです。根治性を確保しながら小さな傷で手術を行うには、専門的な技術が求められます。

術後経過観察

 手術後は定期的な検査が必要です。術後の合併症の早期発見と再発に対する検査です。
 基本的には退院後は定期的検査を術後5年まで半年に1回の頻度でCT(胸部・腹部)、頭部MRI、骨シンチグラフィ検査を行います。(病期によっては1年に1回の頻度で行うこともあります) 6年目以降については患者さまと相談して決定します。

抗がん剤治療

 抗がん剤に使用する薬剤は、肺がんの組織型、肺がんの遺伝子情報、病期、全身状態を総合的に考えて選択されます。

臨床研究

 肺がんは予後不良の悪性腫瘍の一つであります。現在、抗がん剤を含めた多くの治療薬や治療法が開発されていますが、治療後(手術治療を含めて)再発する頻度が高いのが現状であります。そのため多くの研究施設や病院では新たな治療法の開発が行われています。当院でも肺がんの分生物学的解析や研究データに基づく多施設共同臨床研究への参加も積極的に行っています。特に最近注目されているEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子の解析は早期から導入し、分子標的薬の治療方針の決定に応用してきました。
 現在、個別化医療が注目されています。個別化医療を行うためにはがんの個別の診断、すなわち遺伝子診断が必要となります。このような治療を現実の治療にするために他の研究施設と共同研究を行い、がん関連遺伝子や蛋白の検索を行っていきます。


悪性中皮腫

 近年、最も注目されている胸部悪性疾患の一つです。この疾患はアスベスト暴露に関連しており、一般的にアスベスト暴露の10~20年後に発症するといわれています。また、原因不明の胸水貯留、胸部痛、呼吸困難などの自覚症状が特徴です。

 この病気を疑う重要な点は、これまでにアスベストを扱う作業環境で勤務経験の有無です。直接アスベストを取り扱う作業に従事していた方だけでなく、アスベストを扱う職場に勤務したことのある方であり、自分で直接アスベストを取り扱ったかどうかは関係ありません。

 この疾患は早期の発見が比較的困難であり、特に画像診断(CT、MRIなど)で早期の診断は難しいことが多く、本疾患が疑われる時は胸腔鏡を用い、胸腔内を直接観察し胸膜組織の一部を採取し組織学検査にて診断を行います。
 肺がんでは胸水貯留した症例においては胸水の一部を採取し細胞診検査を行うことがありますが、悪性胸膜中皮腫では胸水を用いた細胞診検査での診断は困難なため確定診断を得るためには胸腔鏡検査を行う必要があります。
 本検査についてのご相談は外来までご連絡ください。

セカンドオピニオン

 胸部悪性腫瘍(原発性肺がん、転移性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫、縦隔腫瘍)についてセカンドオピニオン外来を行っております。

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