臨床工学部は医療現場で使用される電子機器や生命維持装置の取扱い、保守管理を専門としている部門です。
臨床工学部について
臨床工学部は、医療機器や生命維持管理装置の取扱い、保守管理を専門としている部門です。
心臓血管外科部長である栗栖部長のもと14名の臨床工学技士と2名の委託職員で業務を行っています。
基本理念
質の高い医療技術と安全かつ効率的な医療機器の運用に寄与します。
基本方針
- 医療機器の専門家としての自覚を持ち、チーム医療に参画し、良質で安全な医療を目指します。
- 医療の高度化に対応するために、常に自己研鑽に励みます。
- 医療機器の安全性確保と有効性維持のため、保守・管理・教育に努め安全・安心の医療に貢献します。
業務内容
手術室業務
心臓血管外科分野
心臓血管外科の様々な術式で人工心肺装置、心筋保護液注入装置、術中自己血回収装置の操作を行っています。その他に補助循環装置であるPCPS(経皮的心肺補助装置)やIABP(大動脈内バルーンパンピング)の操作を行っています。
整形外科分野
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどの脊椎の手術を行う場合に神経モニタリングである、SEP(体性感覚誘発電位)・MEP(運動誘発電位)の測定を行っています。また、脊椎の固定術を行う際に使用するナビゲーションの操作も行っています。その他に人工関節置換術を行う際に術中自己血回収を行っています。
脳神経外科分野
SEP(体性感覚誘発電位)による中心溝の同定、聴神経腫瘍摘出術の顔面神経モニタリング、顔面痙攣に対する神経血管減圧術のABR(聴性脳幹反応)モニタリングなど、脳神経の同定・鑑別や脳神経機能のモニタリングを術中に行っています。
心臓カテーテル業務
造影検査
動脈圧・心電図・動脈血酸素飽和度などを監視し、冠動脈造影、下肢動脈造影、バイパス造影などの様々な造影検査を行います。
血管内治療
PCI(経皮的冠動脈インターベンション)やEVT(末梢血管インターベンション)で使用される物品出しや、IVUS(血管内エコー)などの機器を使用し血管径や血管内腔、プラークの性質などを計測・解析をします。急変時にはPCPS(経皮的心肺補助装置)やIABP(大動脈内バルーンパンピング)などの補助循環装置の組み立て・操作を行っています。
アブレーション
アブレーションとは、頻脈性の不整脈に施行される治療です。臨床工学技士は主にスティムレーター・アブレーターなどの操作を行います。
ペースメーカー
ペースメーカーの植込み・交換時にプログラマーを用いて、波高、閾値、抵抗値などを測定し、設定のプログラムなどをしています。
また、電気メス使用時のチェック、設定変更なども行っており、MRI撮像時のモード変更なども行っています。
当院は遠隔モニタリングも導入しており月1回のモニタリングも行っています。
血液浄化業務
人工透析
透析センター(32床)にて月曜日~土曜日まで(年間約1万件)透析治療を行っています。
また、合併症の検査・治療・手術のために紹介入院となった維持透析患者さまの透析や重症患者さまに対する緊急血液浄化には24時間対応など幅広く血液浄化療法に対応しています。
血液透析は熱水消毒に対応したRO装置により作成された超純水透析用水を用いており、透析液水質確保加算及び慢性維持透析濾過加算の取得施設となっています。
特殊血液浄化
自己免疫疾患等に対する血漿交換や閉塞性動脈硬化症に対するLDL吸着療法、潰瘍性大腸炎や関節リウマチに対する白血球除去療法、難治性腹水に対しての腹水濾過濃縮再静注法など幅広く血液浄化療法に対応しています。
内視鏡業務
内視鏡業務では、内視鏡検査に使用するビデオスコープのセッティング、取り外し、洗浄業務、検査介助、内視鏡に関連する機器の管理を行っています。
医療機器管理業務
院内の人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプ、低圧持続吸引器などの医療用機器を安全かつ効率的に運用できるように保守管理を行っています。
【管理機器と台数】機 器 名 | 台数 |
---|---|
人工心肺装置 | 2 |
経皮的心肺補助装置 | 2 |
大動脈内バルーンパンピング装置 | 3 |
人工呼吸器 | 24 |
血液浄化装置 | 3 |
除細動器 | 12 |
AED(自動体外除細動器) | 6 |
機 器 名 | 台数 |
---|---|
輸液ポンプ | 216 |
シリンジポンプ | 157 |
ポータブル吸引機 | 11 |
低圧持続吸引機 | 41 |
超音波ネブライザ | 17 |
深部静脈血栓予防装置 | 53 |
経腸栄養ポンプ | 10 |
離床センサー | 28 |
カフ圧計 | 17 |
エアマット | 22 |
その他
カンファレンスへ参加
業務にあたり患者さまの情報を把握するため、医師や看護師などとカンファレンスを行います。臨床工学技士は、患者さまの病態や背景を十分把握したうえでより効果的な治療が行われるよう、装置の機能に関する知識やデータを用いて参加しています。
学会や勉強会への参加
中国、九州地区の勉強会や全国で開かれる各学会に参加をしています。
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