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腎臓内科

診療科・部門
2024年4月1日 更新

腎臓内科の紹介

  • 検尿異常を指摘されましたらお早めに受診をお願いします。
  • 腎機能障害の原因検索、生活指導、栄養指導を行い、自己管理が円滑に行えるよう支援いたします。
  • かかりつけ医と密に連携をとります。

科の概要・体制

腎臓内科は、副院長 坂井尚二をはじめ常勤医3名と非常勤医師による診療体制です。腎臓内科外来診療、アフェレーシスを含めた血液透析、腹膜透析、PTA(経皮的血管形成術)や内シャント手術等観血的治療、腎生検の病理診断等を行っています。研究会・学会参加や発表を積極的に行い(後術業績参照)、研修医の指導に力を注いでいます。
最近は糖尿病を筆頭とした生活習慣病や高齢に伴う CKD(慢性腎臓病)が増加しています。治療面だけではなくCKDの予防と教育も腎臓内科の重要な責務と考えています。看護師、臨床工学技士、管理栄養士等、コメディカルと共に、高品質な治療を目指して診療を行っています。

スタッフ紹介

  • 写真:坂井 尚二

坂井 尚二
副院長

医学博士
【資格等】
日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医
日本透析医学会 透析専門医・指導医
日本内科学会 認定内科医・指導医

杉元 悠太郎
腎臓内科医師

竹内 亮
腎臓内科医師

外来診療表

曜日
午前・午後 坂井 安宅(※)
(午前)
杉元
(午前)

(※)・・・非常勤医師

受診される際の注意点

  • 基本的に、絶食不要です。早朝尿をご持参ください。
  • かかりつけ医がいらっしゃる場合は、ご相談の上、紹介状をお持ちください。
  • 過去にかかった病気や飲んでいたお薬の情報は大切です。ぜひお話しください。
  • お薬手帳、過去の健康診断の結果等ございましたらご持参ください。

講座・教室のご案内

 当院では生活習慣病予防のための減塩教室『楽塩教室』、慢性腎臓病についての体験食付き勉強会『そらまめ教室』などの教室を行っております。市内在住の方ならどなたでも参加いただけますので、興味のある方はお気軽にご参加ください。
 開催状況、申込方法などについては講座・教室のご案内をご覧ください。

透析センター

 2015(平成27)年11月に、新館に新しく透析センターがオープンしました。
 血液透析ベッド数は32床で、感染症対策の設備を取り入れた個室3室と、診察室を新設しました。
 月曜日から土曜日まで、延べ120名が透析可能です。外来維持透析で通院の方以外に、他のご病気で当院入院となった患者さまに透析を行っています。術後や緊急透析は集中治療室で行うこともあります。炎症性腸疾患、膠原病、難治性ネフローゼに対する血漿交換、エンドトキシン吸着など血液浄化全般に対応が可能で、他科と連携して、積極的に行っています。腹膜透析は、月1~2回の外来通院で、治療管理を行っています。
透析センター

主な対象疾患

CKD(慢性腎臓病)
AKI(急性腎障害)
糸球体腎炎
 急性糸球体腎炎
 慢性糸球体腎炎
 急速進行性糸球体腎炎
尿細管間質障害
膠原病
遺伝性腎疾患
腎硬化症
血液浄化
 維持透析
 血漿交換

診療内容

 検尿異常をきっかけに、慢性糸球体腎炎(IgA腎症、膜性腎症、巣状糸球体硬化症 など)、膠原病(全身性エリテマトーデス ANCA関連血管炎など)、全身性疾患(糖尿病、多発性骨髄腫、アミロイドーシス、感染性心内膜炎など)がわかることがあります。自覚症状がなくても、検診で異常を指摘された場合は、必ず受診しましょう。
 慢性糸球体腎炎は、積極的な治療で改善する場合があります。ぜひ専門医にご相談ください。

 クモ膜下出血をきっかけにPKD(多発性嚢胞腎)、心疾患や皮膚疾患からFabry病を診断することがあります。これらの疾患は、近年治療法が開発されています。かかりつけ医と相談の上で受診をお勧めします。

 上記の疾患や急性腎障害などで腎機能低下が進行した場合、透析センターで保存期腎不全外来を行います。血液浄化療法を受けながら元気に暮らす心構えとコツを、経験豊富な医療スタッフが伝授します。また、お一人お一人の生活に合わせた腎代替療法をお勧めします。血液浄化には血液透析、腹膜透析があります。血液透析を見学したり、実際に腹膜透析の機器に触れたり、透析患者さまとお話をしていただくこともあります。

 腎臓が悪いからと落ち込んでいる方、ぜひこの外来で透析に対する考え方を変えてください。日本人の350人に1人が受けている治療で、仲間はいっぱいいます。1日も早く、家族一丸となって、透析のある日常に慣れていただくよう、サポートします。腎移植を希望される場合は、居住地などご家族の都合に合わせて、移植が可能な施設へご紹介しております。
 保存期腎不全外来は、通常の外来を受診していただいて、外来主治医が改めて予約を行います。

腎臓の病気についてもっと知りたい

CKD(慢性腎臓病)とは

  1. 検尿、血液、画像診断、病理で腎臓の異常が明らかで、蛋白尿0.15g/gCr以上が存在。
  2. GFR(腎臓の働き)が60mL/分/1.73m²未満(健康な人の60%未満と同じような意味)。

 上記のいずれかまたは両方が3か月以上続く状態をいいます。
 多くのCKDは無症状で、検尿異常や他の病気を詳しく調べている時に発見されます。
 検尿異常を指摘されたら、症状がなくても必ず受診をしましょう。

 腎臓の代表的な疾患を簡単に解説します。
 当院では、これらの疾患の診断から治療まで、一貫して行うことができます。
 ぜひご相談ください。

急性糸球体腎炎

かぜの後むくみだしたら要注意。

 主に溶連菌の感染症をきっかけに蛋白尿、潜血尿、むくみ、高血圧を来し、時には腎機能が低下します。抗生剤や降圧剤の投与、食事療法などで経過をみます。一般的に、数週間で症状は改善し、腎機能も回復します。1年以上検尿異常が残存する場合は、他の疾患を疑い腎生検を勧めることがあります。

慢性糸球体腎炎

IgA腎症
日本人に最も多い腎炎。

 検尿検査で蛋白尿や血尿を指摘されて偶然発見されることが多いです。扁桃炎と同時に赤い(コーラ様)尿が出ることがあります。多くは無症状です。腎生検で診断し、結果を踏まえて治療方針を決めます。扁桃摘出術、免疫抑制療法、食事療法等、その人に相応しい治療を行います。腎障害が進行する場合があり、発症後20年で40%弱が腎代替療法を必要とするという報告があります。生活習慣を整えることも重要です。
 治療法の一つであるステロイド治療は、パルスという大量のステロイドの点滴と内服を組み合わせて行います。処方の仕方は、ガイドラインでも意見が分かれています。診断が確定した後、当院での治療計画を詳しくお話しします。
 指定難病ですが、診断基準を満たさない場合は認定されません。
 治療により基準を満たさなくなった場合は、指定を取り消されます。

膜性腎症

高齢者のむくみで最多。
他の病気が発見されることも。

 高齢者のネフローゼ症候群(血液の蛋白が減り、大量の蛋白尿が出現する病気)では最も頻度が高いです。蛋白尿が出現し、数か月かけて、徐々にむくみや体重増加を来します。腎生検で確定診断します。成人の場合、薬剤の影響、感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍など他の病気が原因のことがあり、上下部内視鏡検査や胸腹部CTを行い、腫瘍性病変がないかどうか積極的に検査を行います。蛋白尿やむくみが少ない場合は、降圧療法、食事療法などで経過をみます。自然に良くなることがあります。ネフローゼ症候群が続く場合は、免疫抑制剤の治療を行います。

微小変化型ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群で最多。

 ネフローゼ症候群の約半数を占めます。突然むくみが出現し、何キロも体重が増えることがあります。腎生検で確定診断します。ステロイドの治療に良く反応します。再発を繰り返す場合、他の免疫抑制剤を併用することがあります。一般に腎機能は低下しません。低下する場合は、巣状糸球体硬化症など、他の腎炎の可能性があります。

巣状糸球体硬化症

腎生検での診断が難しく、治療経過で初めてわかることもある。

 微小変化型ネフローゼ症候群と症状がほぼ同じです。腎生検でも区別が難しく、微小変化型として、治療中に腎機能が低下したりステロイドの反応が悪い場合に、腎生検の標本を作り直して、ようやく診断できることも少なくありません。ステロイド治療に加え、他の免疫抑制剤やLDL吸着療法を併用することがあります。

膜性増殖性糸球体腎炎

 蛋白尿、潜血尿を来し、発症の仕方は多様です。感染症、自己免疫疾患、血液疾患、悪性腫瘍、遺伝疾患、パラプロテイン沈着症などの疾患に伴うことがあります。治療は、ステロイドの他、免疫抑制剤を併用することがあります。

パラプロテイン沈着症

 多発性骨髄腫、アミロイドーシス、クリオグロブリン血症などの疾患で蛋白尿、潜血尿が出現し、腎生検で異常な蛋白の沈着を認めます。検尿異常をきっかけに、これらの疾患を診断することもあります。各疾患の治療が基本になります。

急速進行性糸球体腎炎

 いくつかのタイプがあり、異なった原因で起こると考えられています。ANCA(抗好中球細胞質抗体)、抗GBM抗体(糸球体基底膜に対する抗体)などが関連して腎臓を含めた全身の血管に強い炎症が起こると推察されています。血尿や尿量の減少で気づくこともありますが、体がだるい、熱っぽいなどのかぜ症状や、食思不振がきっかけのこともあります。腎臓だけではなく、多臓器に炎症が生じるため、大量のステロイドや免疫抑制剤の投薬など副作用を覚悟した強い治療を行います。血漿交換を併用することがあります。治療に関わらず腎機能が回復しなかったり、疾患が進行したり、感染症を併発したり、治療がたいへん難しい病気です。一旦良くなっても再発することがあります。主治医とタッグを組んで、しっかり治療を続けることが大切です。

尿細管間質障害

 自己免疫疾患や血液疾患、感染症などの疾患が原因の場合や薬剤、毒素、放射線などがきっかけに発症することがあります。腎機能が低下しても尿量が保たれ、検尿異常に乏しく、自覚症状がないことがあり、発見が遅れることがあります。原因が特定できない時は、腎生検でIgG4関連疾患など、治療が可能な疾患が診断されることがあります。

自己免疫疾患

 全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ、ANCA関連血管炎、紫斑病性腎炎など、膠原病の多くでは検尿異常や腎機能障害を伴います。腎生検が治療の決め手になることもあります。これらの病気にかかっていて、検尿異常や腎機能低下が気になるときには、主治医としっかり相談してください。

遺伝性腎疾患

PKD(多発性嚢胞腎)
2014年、治療薬(トルバプタン)が承認。     指定難病です。

腎臓に嚢胞がたくさんできて、腎臓の働きが徐々に低下する病気です。遺伝子のPKD1、PKD2の異常が原因で、両親のどちらかがこの病気の場合は、必ずご相談ください。日本では約3万人が罹患しています。ほとんどの患者さまは成人になって症状が出ます。徐々に腎臓の嚢胞が増えて腎臓が大きくなり、働きが低下します。嚢胞の増加に伴いお腹が圧迫された症状が出現します。嚢胞は肝臓にもできます。60歳までに約半分の人が腎代替療法を必要とします。また、脳動脈瘤、心臓弁膜症などを起こしやすく、定期的な検査が必要です。
 遺伝性疾患なので、罹患を防ぐことはできませんが、2014年、腎臓が大きくなることを防ぎ、腎機能低下を遅らせる効果があるトルバプタンが保険適応となりました。このお薬は、腎機能が既に低下している方には使用できない、処方する医師にも資格が必要などの条件があります。
 当院では、腎臓専門医が、病態に応じた治療や生活指導を行います。
 合併症の評価なども他科と連携し行いますので、まず腎臓内科を受診してください。

Fabry病

2007年、治療薬が承認。     指定難病です。

 体の中にある酵素の1つがうまく働かないために、分解できない物質が全身に蓄積する病気です。最初は手足の痛みや皮疹、汗が出にくい、など様々な症状から始まり、成長するにつれて心臓や腎臓に障害が出ます。この病気はX染色体劣性遺伝をとります。若くして原因不明の心肥大や腎機能低下を認めた場合、この病気の可能性があります。兄弟姉妹だけではなく、祖父母、叔父叔母、従兄弟で同じ症状の方がいないかを聞いてみましょう。2007年、αガラクトシダーゼAという酵素を点滴で補充する治療法が確立されました。当院では、診断から治療まで、他科と連携をとりながら行います。

アルポート症候群

 慢性腎炎、難聴、白内障などの合併症がある、遺伝性の病気です。腎臓の基底膜を構築するIV型コラーゲンが、遺伝子の異常でうまく作られずに一連の症状を引き起こします。腎臓の働きが低下することは避けられないので、生活指導や合併症の進行を防ぐ治療が中心になります。

研修環境

施設認定

  • 日本腎臓学会研修施設
  • 日本透析医学会専門医制度認定施設

 私達は、腎臓の専門医である前に、内科医であることを大切に思っています。
 腎臓という臓器が、様々な内科疾患を診断する糸口と考えています。
 透析は特殊な治療と思われがちですが、日本では約35万人が受けている治療です。その患者さま全員が何らかの基礎疾患をお持ちですので、透析を通じて、様々な内科疾患を学ぶことになります。各疾患の専門医と意見交換をする機会が多く、内科医としての能力を磨くことが可能です。当院は心臓を含めた外科手術症例が多く、透析患者さまの術後管理も経験できます。PTAやシャント手術など観血的手技、緊急透析の際にカテーテル挿入が必要ですので、外科的手技の基礎も学べます。血液浄化療法に関しては、維持透析、緊急透析(持続的血液濾過)、血漿交換、腹膜透析と、全てが可能です。この治療は技士さん、看護師さんの協力がなければ成り立たない治療です。コメディカルとのコミュニケーションの大切さを感じることでしょう。
 一方で、日常診療の中で、検尿異常や腎機能障害をきっかけに、膠原病や血液疾患など全身性疾患を発見することも多々あります。当院では、病理が充実しており、院内施設でプレパラートを作成し、腎生検組織を診断することが可能です。
 内科医の研鑽を積むには、絶好の科であると自負しています。
 一緒に働いてくださる仲間が増えたら良いな、と願っています。

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