消化器内科の紹介
消化器疾患のうち消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)の疾患を中心に診療を担当しています。腹痛、下痢、便秘、血便などの消化器症状に対して、腹部エコー、CT検査などの放射線検査や内視鏡検査などを駆使し、迅速かつ正確な診断を行い、治療にあたっています。集学的な治療が必要な場合には他科と連携しながら診療しており、外科との合同カンファレンスを週一回行っています。
当科では食道がん、胃がん、大腸がんの患者さまに対して、NBI(Narrow band imaging:狭帯域光観察)拡大内視鏡検査やEUS(超音波内視鏡検査)など精密内視鏡検査や、X線検査を用いて、内視鏡手術や外科手術などの最適な治療法を判断し、患者さまに提案しています。近年、内視鏡を使ったがんの治療法は様々な種類の電気メスを使って、表面を切り剥がしていく方法(ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術)が主流となっています。ESDは切り取れる大きさに制限はなく、大きながんでもひとかたまりで切り取ることが可能で、当科でも内視鏡治療が可能な食道がん・胃がん・大腸がんの場合は積極的にESDを行っています。消化器がんは無症状のことが多く、早期発見・治療のためにも、定期的な内視鏡検査をお勧めします。
また炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対しては、近年、患者さまが多く集まるようになっています。病状に応じて免疫調整剤や白血球除去療法、抗TNF-α抗体製剤などの分子標的治療薬も適宜併用し治療を行っています。
胃・十二指腸潰瘍、早期胃がん内視鏡治療後、慢性胃炎(萎縮性胃炎)などに対するヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療も積極的に行っています。ただし、保険診療が認められない場合もありますのでご不明な点は医師にご相談ください。
なお、肝臓疾患(ウイルス性肝炎、肝硬変など)に関しては、必要に応じて、他院の肝臓専門医との病診連携での診療に努めています。
専門分野・診療の特色
- 早期食道がん、胃がん、大腸がんに対しての内視鏡的治療(内視鏡的粘膜下層剥離術)
- 胃・大腸ポリープに対しての内視鏡的治療(内視鏡的ポリープ切除、内視鏡的粘膜切除)
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の診断、治療
- 胃・十二指腸潰瘍に対する治療(ヘリコバクターピロリ除菌治療など)
- 消化管出血に対しての内視鏡的止血術
- 胃瘻造設・交換(経皮内視鏡的胃瘻造設術など)
- カプセル小腸内視鏡による小腸疾患の診断
検査について
大腸内視鏡検査は検査当日の朝から腸管洗浄剤を服用していただくため、予約制の検査となっています。当院では検査時に大きな大腸ポリープが見つかった際には、そのまま内視鏡的治療を行うことが可能です。まずは当科を受診していただき、医師に検査についてご相談ください。
スタッフ紹介
保利 喜史
消化器内科医長
医学博士
【資格等】
日本内科学会 総合内科専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医・評議員
日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医
加来 寿光
消化器内科医師
【資格等】
日本専門医機構 認定内科専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
今村 清孝
消化器内科医師
外来診療表
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
今村、加来 | 保利 | 加来 | 保利 | 今村 |
診療実績
内視鏡件数(検査・手術等)
検査・手術等(単位:件) | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|
上部消化管 | 3,591 | 3,709 |
EMR(内視鏡的粘膜切除術) ポリペク(内視鏡的ポリープ切除術) |
7 | 9 |
ESD(上部消化管内視鏡的粘膜下層剥離術) | 52 | 39 |
人間ドック・健診(上部消化管内視鏡検査) | 2,055 | 2,124 |
下部消化管 | 1,081 | 1,172 |
EMR(内視鏡的粘膜切除術) ポリペク(内視鏡的ポリープ切除術) |
277 | 244 |
ESD(下部消化管内視鏡的粘膜下層剥離術) | 19 | 19 |
その他(胆のう・膵臓) | 140 | 135 |
年間内視鏡件数 | 4,812 | 5,016 |
研修環境
施設認定
- 日本消化器病学会認定施設
- 日本消化器内視鏡学会指導施設
業績集
消化器内科 年報
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