放射線部の紹介
放射線部の目標
医療事故ゼロを目指した、安心・安全・信頼の医療画像検査・治療を提供します。
Ⅰ:専門職としての知識・技術の研鑽に励み最良の医療画像提供を目指します。
Ⅱ:放射線の専門知識を生かし、安全管理・被ばく低減に努めます。
Ⅲ:接遇の向上に努めます。
Ⅳ:さらなる資質の向上を図り、他部門と連携してチーム医療の一員として貢献に努めます。
放射線部は診療放射線技師17名(内5名女性)・事務スタッフ5名(女性)の総勢22名が、多岐にわたる医療画像検査・治療に携わっています。
診療放射線技師は、高度先進医療に対応するため、多くの医療機器を用いて患者さま・医療従事者の放射線被ばくを管理しながら、最良で安心・安全・信頼の画像診断検査・透視下での治療・高精度な放射線治療を受けていただくため、一丸となって日々努力しています。また、装置が常に正常に稼働するように、整備・管理も行っています。
事務スタッフは、受付事務・検査室へのご案内や様々な裏方業務などで、陰ながら患者さまのために頑張っています。
検査内容
単純エックス線撮影
胸部、腹部、骨、乳房など、さまざまな部位を撮影します。当院の一般撮影はFPDを主に用いて検査を行っています。
FPD とはフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector)の略で、体を透過したX 線(エックス線)を、このFPDで受け取り、デジタル信号に変換することによって従来の装置(CR システム)と比べて、より低被ばくで高精細な写真を得ることができます。
全ての画像はデジタル化されていますので、院内に配置した高精細モニターで、検査終了後、瞬時に撮影された画像は電子カルテを介して、各診察室・院内において参照可能です。
注意していただきたいこと
下記のようなものがある場合、画像診断の妨げの可能性がありますので、撮影部位によって取り外していただくか、脱いでいただくことになります。
検査着を用意していますのでお申し出ください。
- 金属、プラスチックの入った肌着類(ブラジャー、キャミソールなど)
- ボディースーツ類
- 衣類のボタン、ファスナー、ベルトなど
- 貴金属(ネックレス、ピアスなど)
- メガネ、入れ歯
- カイロ、エレキバン、湿布 など
乳房撮影
乳房撮影装置について
2016(平成28)年5月から、FPD(フラットパネル)を搭載したデジタルマンモグラフィ装置での検診・検査をはじめました。これにより低被ばくで解像度の高い画像が提供できるようになり、乳がんの早期発見に、より貢献できることと思います。
撮影方法は乳房を押さえて挟むため、多少の痛みを伴うことがありますが、重なりあった乳腺を薄く延ばすことで病変が見つけやすくなります。基本的に左右の乳房を上下方向と斜め方向の4回撮影します。検査時間は10分から15分程度です。
当院で導入している装置では、乳腺の奥行きの情報がわかる断層撮影(トモシンセシス)も行える機能を備えておりますので、より精密な検査が可能です。
また、当院には検診マンモグラフィ読影認定医師、検診マンモグラフィ認定診療放射線技師がおり、精度の高い検査を追及しています。
しかしながら、高濃度乳腺の方はマンモグラフィだけでは判断しにくい場合があります。その際は超音波検査などをお勧めすることがあります。
注意していただきたいこと
- 乳房を圧迫する際に、力が入っているとうまく圧迫できません。痛みも強くなりますので、力を入れず、リラックスして検査を受けてください。
- X線を使って撮影を行いますので、ネックレス等は、撮影前に取り外してください。
- ホルモンの関係で乳腺が張っていると撮影時に痛みが強くなりますので、生理の1週間~10日後に受けることをお勧めします。
乳がんは自己検診も大切です
乳がんは日本人女性が患うがんの中で最も多いがんで、生涯に乳がんを患う女性は9人に1人といわれています。
乳がんは体の上から触って見つけることのできる、数少ないがんのひとつです。早期発見のために、ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)や、自己検診(セルフチェック)も大切です。
生理が始まって1週間後、閉経後の方は毎月1回日にちを決めてご自身でチェックしてみましょう。また自己検診と並行して、40歳を迎えたら2年に1回、乳がん検診を受けることが厚生労働省の指針で勧められています。
40歳以上の方は、マンモグラフィを含めた検診を定期的に受けましょう。
気になることがありましたら、早目に乳腺外科外来を受診してください。
透視検査
透視検査とは
透視検査はX線透視検査ともいいます。X線だけでは判断しにくい部分を検査するために、造影剤を注入したり、飲んでいただいたりして、X線写真の撮影や処置を行うために用いられます。
当院の透視装置の2室は平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)搭載X線TV装置を用い、デジタル高画質で被ばくの少ない検査・治療を行っています。
注意していただきたいこと
X線を使って検査を行いますので、撮影部位にある金属類、プラスチック類など、事前に取り除いていただき、検査着に着替えていただきます。また、検査前に食事の制限や薬の服用などにご協力いただくことがあります。
CT検査
CT検査とは
CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略語です。X線を利用して人体の輪切りを画像にすることができます。最近のCTでは、息を止める時間を短くすることができ、それに伴い検査時間を短縮することができます。
当院の装置も短時間で検査することができます。息を止めてもらう検査も、5秒~10秒ほどの息止めで検査可能となりました。また、撮影の方法によってはいろいろな角度の断面を見ることができます。
当院のCTは心臓の検査も可能です。造影剤という薬(臓器や血管をよりわかりやすくする)を静脈から注射し、心臓の血管を描出して狭窄(狭くなっていないか)を見つけることができます。
造影剤を使用することにより、あらゆる血管の(脳・胸部・腹部・下肢血管・上肢血管)撮影が可能です。この検査も、短時間で検査可能です。
また、X線によるひ曝を低減する機能も有していますので、安心して検査を受けていただくことができます。わからないことがあれば、CT担当者に質問してください。
予約時間通りに検査を行うことが困難な場合がございます。また、急患の患者さまを優先して撮影することがございますので、何卒ご理解ください。
当院のCTは2台で稼動しておりますので、その日、急に検査を施行することになっても、お待ちいただければ検査可能です。医師、または看護師にご相談ください。
MR検査
MRI検査とは
MRIとは、磁気共鳴断層画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の略です。
原理:強い磁石の中に入り、電波を与えることにより体の中の水素原子が共鳴します。電波を止めると水素原子から微弱な電波が出ます。MRI検査は、この微弱な電波を使って画像を作る検査です。
MRIの特徴
Philips社製のMR装置導入により、CS(圧縮センシング:少ない観測データから元の信号を復元する方法)と、AI(人工知能)による深層学習を併用することで、全ての部位で撮影時間の短縮や高分解能撮像などが可能となりました。
また、CSとAIを組み合わせることで、四肢の関節や骨盤領域において、3D撮像で1mmのISOボクセル撮像が可能になりました。
MRは水分を多く含む脳などの軟部組織の画像化を得意とする一方で骨や肺野の抽出は困難とされてきました。CTのような骨の輪郭や腱、靱帯のコントラストが高い画像が得られるボーンライクイメージが可能となり、放射線被ばくを回避できることが特徴です。
MRI検査を受けることができない方
MRI検査では、強い磁場と電波を使うので、下記に該当する方は検査を受けることができません。
該当する方は、担当者にお申し出ください。
- MRI非対応の心臓ペースメーカを使用している方
- 体内に電子電気部品を装着されている方
下記事項に該当する方は、検査を受けることができない場合があります。
- 脳動脈瘤の手術を受け金属クリップを入れている方
- 金属製の人工心臓弁を入れている方
- その他の金属を体内に入れている方
- 妊娠している方
- 閉所恐怖症の方
血管造影検査
血管造影検査とは
血管造影検査は、カテーテルという細い管を腕や太ももの付け根の血管から目的の血管まで管を挿入し、造影剤という血管をよく見るための薬を用いてX線撮影し、検査・治療します。
血管が狭くなったり、詰まったりしていないか、腫瘍を栄養している血管はどれかなど、血管が関与している疾患を詳しく調べ、必要があれば血管拡張術・血管塞栓術・血管から直接薬を入れる治療などをしていきます。
頭部血管造影
頭部の血管造影検査ではDSAという撮影を用います。DSAとは骨などの情報を消して血管だけを描出する手法です。これにより、脳の主幹動脈だけでなく、抹消の細い血管や静脈の情報も得られ、脳血管の精密検査や脳外科手術の際には欠かせない検査となっています。
腹部血管造影
腹部血管造影検査では、DSA撮影装置とCT(IVR-CT)装置を用い、肝臓をはじめとする腹部の臓器の検査を行います。IVR-CTを用いることで、DSA撮影だけでは判断しにくい腫瘍の質的診断や肝臓の血管の支配領域などより多くの情報を得ることができます。
核医学検査
核医学検査とは
核医学検査は、RI検査や、アイソトープ検査ともよばれ、ごく微量の放射性物質(RI:ラジオアイソトープ)を含む薬を用いて病気を診断する検査です。
この微量の放射性薬剤が注射などにより体内に入ると、特定の臓器(骨や腫瘍など)に集まり、そこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラ(シンチカメラ)とよばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にします。これをシンチグラフィといいます。
この検査の特徴は、臓器の位置や大きさの他に「働き」がわかるというところです。X線検査や、CT検査などは主に臓器の形の異常をとらえるのに対して、核医学検査は臓器の働き(機能)をとらえることができます。そのため非常に鋭敏な検査であり、他の検査ではわからない病気を見つけることもあります。苦痛も無く副作用も非常に少ない検査で、多くの病気の診断に利用されています。
骨密度検査とは
「骨密度」は、骨粗しょう症を判定するための代表的な指標です。
骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。
新たに導入した骨密度測定装置(HOLOGIC社製Horizon)は、マルチスライスCTに採用されるセラミックディテクターと高周波X線管球を採用し、体厚のある患者さまの画像もより鮮明に撮影できるようになりました。
また計測時間も大幅に短縮され、患者さまの負担も軽減されます。
骨密度計測で得られたデータから、骨の微細構造を解析し骨質評価を行うアプリケーションソフト(TBS:trabecular bone score[腰椎海綿骨スコア])を導入しました。このTBSは、骨強度の決定要因の一つである骨微細構造の簡便な評価法として期待され、骨粗鬆症性椎体骨折のリスク評価において有用性が示唆されています。
診療用放射線の安全利用のための指針
医療法施行規則の一部改正に伴い、2020(令和2)年4月より、診療用放射線の利用に係る安全管理のための責任者を配置し、医療用放射線安全管理責任者は診療放射線の安全利用のための指針を制定することが必要となりました。
医療従事者と放射線診療を受ける者との間の情報の共有に関する基本方針に則り、当院における診療放射線の安全のための指針を下記に提示します。
業績集
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