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結核対策

医療・教育関係の方へ
2021年6月23日 更新

結核対策

I. 分かりやすい結核の話

1)はじめに

1996年から1997年にかけて、結核を発症する人が少し増加しており、当院でも年間約30名くらいの患者さまが新規の結核と診断されています。もちろんそのほとんどは今まで病気はなく、急に胸水がたまったとか、咳が長く続くといって来られた方達です。

今まで結核予防法や日本経済の発展により、結核患者登録者数と罹患率はずっと減少傾向にありましたし、一時はこのまま結核は撲滅できるのではとさえいわれていたのですが、1997年から再び増加傾向が見られはじめ、1999(平成11)年7月、ついに厚生労働大臣より結核緊急事態宣言が出されるにいたっています。

2)なぜそのようなことになったのか?

まずは高齢者が増加したことが一因として挙げられます。医療技術の進歩、経済発展により、日本人の寿命がのびているのは非常に喜ばしいことなのですが、そのことが新しい問題を生じているのです。以前の日本では結核は国民病とさえ言われるくらいに蔓延しており、そのころに幼少時期を過ごされた方達は殆どが一度は結核菌が体内にはいっているのです。結核にならずに自分の力で治っているのですが、結核菌は完全に死なずに体内に潜んでいるのです。それが、高齢になって体力が落ちてくると再び活力を取り戻し結核を発症するというわけです。
残念ながら高齢になってどういう風になったら結核が出てくるのかはまだ分かっていません。

もう一つの大きな問題は若い世代(だいたい40才以下の方達)の結核に対する免疫のなさです。というのはだんだん日本経済が良くなり、生活環境が良くなってから幼少時期を迎えた方達は逆に結核に一度も接していないまま成長しているわけです。高齢の方達は知らないうちに罹って治っているといいましたが、これは逆に結核に対して抵抗力を持つことでもあるのです。BCGがあるではないかと思われるかもしれませんが、最近の研究でBCGの効果はせいぜい10年から15年しか持続しないことがわかっています。そこに結核の方が分からずに排菌(体の外に菌を出すこと)しながら一緒に生活していますと集団発生という事態になるわけです。

3)症状は?

結核特有のものはありません。2週間以上続く咳、微熱、寝汗などで、比較的軽いこともあります。ただ何となく体がだるいとか。ですから、今お話した症状があり、気になる方は早めに一度医療機関を受診する事をお勧めします。

4)治療は?

現在抗結核剤が進歩しており、ほとんどの方は治療可能です。早めの治療開始が重要です。

II. 当院の結核対策

1)結核マニュアル

当院では結核病床のない一般病院としては全国に先がけて1998(平成11)年に結核マニュアルを作成しており、職員のツベルクリン反応(ツ反)を行っていました。たまたま、翌1999(平成11)年に結核の事例が生じましたが、このツ反のデータがあって、全国でも珍しいことにツ反のデータを事例の前後で比較して検討することができ、とても有益でした。

当委員会が患者さまの窓口になって、安心して通院や入院ができるように全力を挙げて随時対応しています。

  1. 結核(疑い)と判った時点で、すぐ部屋の管理などを開始
  2. ICT(感染制御チーム)にて患者さまの今後の経過観察を決定
  3. 法的な届出を至急行う

などです。特に1の部屋の管理は、一般病院では珍しいことに「独立換気」の部屋が複数あるため、有効に利用しています。

2)結核事例における検診

ICTで胸部X線撮影による検診を具体的な日程まで決めています。

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